2年目を迎えた“新世代レース”フォーミュラE
世界一クリーンでエキサイティングなレース世界初となる全電気駆動のフォーミュラカーによるレース・フォーミュラEの2015-16シーズンが開幕した。
エンジンの爆音も排ガスも出ないというのが最大の特徴で、モーターカーレース史上初めて全レースが市街地の公道で行なわれることでも大きな注目を集めたフォーミュラE。
創設元年となった昨季は世界の10都市で11大会が開催され、大都市の街中をフォーミュラーカーが疾走するという光景に多くのモータースポーツファンが魅了された。
そんな世界中が注目する舞台で戦う日本人たちがいる。
元F1レーサー・鈴木亜久里氏が率いる『チーム アグリ』だ。
抜きつ抜かれつがこんなに激しいレースは他に無い自らF1ドライバーとして日本人初の表彰台を経験し、チームのオーナーとしてもF1参戦経験を持つ鈴木亜久里氏は、『チーム アグリ』としてフォーミュラEの創設元年から戦っている。
昨年は第4戦のアルゼンチン・ブエノスアイレス大会でアントニオ・ダ・コスタがチーム初優勝を果たすなど、初年度から奮闘を見せた『チーム アグリ』。
代表の鈴木亜久里氏は、フォーミュラEの魅力についてこう語った。
「何と言ってもレースのバトルですね。これぞレース!と言えるようなバトルが見れるのがこのレースの魅力」
カートに始まりF3、ツーリングカーにF2、F1...と様々なレースを見て、体験してきた亜久里氏をもってしても、「抜きつ抜かれつがこんなに激しいレースは他に無いんじゃないかな?」と語るのがフォーミュラE。
ドライバー同士の熾烈な争いをところどころで見られるのが最大の魅力だと言う。
表彰台の真ん中に立って、日本の国歌を聞きたい2年目のシーズンへと挑む亜久里氏は、今年のチームにも手応えを感じている。
「ドライバーのアントニオは昨年、ウチのチームに初優勝をもたらしてくれたし、新加入のナタナエルはGP2でも優勝経験がある優秀なドライバーだから」とステアリングを握る2人へ期待を寄せた。
そんな亜久里氏には、成し遂げたいある夢があるという。
「表彰台の真ん中に立って、日本の国歌を聞きたいですね」
チームに日本人ドライバーは所属していないものの、チーム国籍が日本であるため、勝利すれば日本の国歌が流れることになっている。
世界の大舞台で「君が代」を流すというのが、亜久里氏がいま描いている目標だ。
実は先でも少し触れたが、昨年も優勝自体は1度果たしている。
ところが、「主催者側が間違えてイギリスの国家を流してしまったんだよね」というトラブルに見舞われ、「君が代」が流れることはなかったのだ。
「今年は“何度か”実現させたい」と意気込む亜久里氏。
果たして、『チーム アグリ』の悲願は叶うだろうか。
ガッツポーズから