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いよいよ今週末に迫った、フォーミュラE最終戦ロンドンePrix。
ネルソン・ピケJr.(ネクストEV TCR)、ルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・アプト)、そしてセバスチャン・ブエミ(e.ダムス・ルノー)によるフォーミュラE初代王者争いは最大の注目ポイントだが、アムリン・アグリからの参戦が決まった山本左近の走りも気になるところだ。
その山本左近と、テレビ朝日でフォーミュラE中継の解説を務める片山右京の対談が実現。
フォーミュラE最終戦について語り合った。
片山右京:第10戦、最終戦のロンドン大会参戦決定ということで、今の心境は?
山本左近:歴史的レースになるであろうこの第10戦、最終戦のロンドン大会にアムリン・アグリという(鈴木)亜久里さんが率いるチームで出場できるというのは、本当に日本人として誇りに思います。
F1から降りた後、少しレースから離れていましたが、大勢のファンの方々から「左近くんいつレース復帰するの?」と声を掛けていただいていたので、やっとその声に応えることができるなと、すごくうれしい思いですね。
片山:亜久里さんのところでF1乗った後は、どんなレースをしていた?
山本:F1で亜久里さんのチームのマシンに乗った後は、スパイカー(現在のフォース・インディア)やHRTでF1に出ました。
F1を離れたのは2011年にヴァージン(現在のマルシャ)でテストドライバーをやった後で、そういった意味では4年ぶりくらいのレースになります。
片山:ブランクは感じなかった?
山本:3月上旬のテストで、フォーミュラEのマシンに初めて乗ったんですけれども、久しぶりにフォーミュラカーに乗るので、若干心配でした。
乗り始めた一番最初に予選モードの一番パワーがある状態にしてくれて、それで大丈夫でしたので、これはいけるかなという風に思いましたね。
片山:フォーミュラEっていう新しいシリーズで、恐怖心とか無かったの?
山本:久しぶりにレースに出るので、やるべきことが沢山あると思いますからプレッシャーはありますけど、それよりも今までのモータースポーツとは違う、この電気のフォーミュラカーのレースに出られること、これは21世紀で非常に重要なレースになると思っていて、そのレースに出られることの方が楽しみですね。
片山:マシン自体の動きは、重量配分やコントロールなど、実際乗ってみてどんな感じ?
山本:まずタイヤに溝が入っていて、それをドライで走るという感覚が、ドライバーとして違和感があると思います。
ですが、思ったよりコーナリングの時にグリップしてるし、レインタイヤとも違っていてサイドがしっかりしているなと感じました。
あとはモノコックのすぐ後ろに200kgくらいのバッテリーがあって、モーターが付いてリヤが重たいフォーミュラカーになっているので、ブレーキングした時の後ろから前への荷重変化ですとか、コーナリング中のクルマの動きは、F1と比べると少しレスポンスが遅いかなと思いました。
そのレスポンスで、リヤエンドの安定性が悪くなります。
そこは市街地レースですから、いかにリヤのマネジメントをするのかというのが、速く走るコツかなと思いました。
片山:コースもよくわからないし、マネジメントとか、不安にならない?
山本:やらなきゃいけないことが多すぎて、不安どころじゃないくらいの不安があります。
とはいえ自分で選んだので、このロンドン大会に向けて全力で準備をして、2レースとも良いレースをしたっていうように皆さんにご報告できればいいなと思っています。
片山:亜久里さんとはどんな話をしたの?
山本:亜久里さんに「最終戦にいきなり乗るの大丈夫?」と言われ、「ベストを尽くします」と返したら、頑張れよと言って、あははと笑っていた。
F1もスーパーアグリでデビューさせてもらったし、15歳の頃からARTAというプロジェクトでずっと亜久里さんにお世話になってレースやってきた。
お付き合いも15年以上になりますし、このフォーミュラEという未来に向けた新しいレースで、また一緒にお仕事できるというのは、本当に光栄なことだと思います。
片山:他のチームやドライバーがシーズン終盤で出来上がっている状態の中で入るのは相当大変だと思うけど、目標はどのへんに設定している?
山本:ひとつひとつ課題をクリアしていくことが、一番大事だと思っています。
しかし、やはり10位というのは目標にしています。
片山:佐藤琢磨選手は開幕戦でファステストラップを記録し、日本人として魅せてくれた。
そういうものも期待していい?
山本:そういう思いはありますが、開幕戦と違って最終戦はみんなが色々なデータや経験を持っていると思います。
そういった意味では、開幕戦でみんなが手さぐりの状態なのとは、全然違います。
その中で上に行くのは並大抵のことじゃいけないと思うし、空回りしてもしょうがない。
まずはテスト走行で1周でも多く走って、クルマの動きやサーキットに慣れるということ。
予選、決勝と2レースあるので、1回目のレースでとにかく慣れて、コンディションを整えて、2レース目に自分の本当に持っている全力を出せればいいかなと思っています。
片山:ファンブーストは獲りたい?
山本:もちろんファンの皆さんに応援していただけるのはすごくありがたいです。
この企画があるフォーミュラEは、ファンの人たちもただ見ているだけじゃなくて、自分の応援している選手に対して直接的に働きかけることができるというのはすごく面白い取り組みだなと思いました。
片山:ライバルが昔からチームメイトだったり、そういう意味では気後れはない?
山本:自分がF1やGP2やF3などで戦ってきたドライバーが半分以上なので、そういった意味では彼らと一緒にレースができるというのはすごく楽しみですし、気後れも全くありません。
このメンバーの中で自分ができることを証明していきたいです。
片山:第9戦のモスクワを振り返ってどう思う?
山本:優勝した(ネルソン)ピケJr.選手は際立っていたかと思います。
特にスタートが良かったし、そのあとの序盤の引き離しのペースもすごく良かったよかった。
このレースはエネルギーマネジメントが重要なので、闇雲にドライバーが速く走って、後ろとの差を引き離すということではなくて、引き離した分エネルギーをセーブしないといけない。
その難しいところを上手にマネジメントして、最後までアドバンテージを持ったままトップでゴールしたのは、光っていたと思います。
片山:ロンドンのコースはどう思う?
山本:結構速いと思います。
シケインがあって、ストレートがあって、シケインがあって割と真四角なレイアウトになっていたので。
片山:応援してくれるファンの皆さんにひと言お願いします。
山本:この度フォーミュラEロンドン大会にアムリン・アグリから出場することになりました。
大勢のファンの皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。
是非応援よろしくお願いいたします。
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