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フォーミュラEのデモ走行が、東京・六本木のけやき坂で行われた。
このイベントは、「六本木ヒルズ盆踊り2015」の一環として行われたもので、沿道には多くの観客が詰めかけた。
チーム・アグリを率いる鈴木亜久里とマーク・プレストンが登場するとあって、スーパーアグリF1チームのウエアに身を包んだ、熱心ファンの姿も見られた。
東京都内では、お台場周辺でスーパーGT等のデモランが行われた実績はあるものの、フォーミュラカーの公道デモランは初。フォーミュラEマシンとしても、日本国内初走行である。
この日ステアリングを握ったのは、フォーミュラE第1シーズン最終戦のロンドンePrixで、アムリン・アグリのマシンをドライブした山本左近。
左近は詰めかけた観客のカウントダウンに合わせ、ゆっくりをマシンを発進させた。
フォーミュラカーの走行音は、これまでならば“爆音”とも表現させる大きなエンジン音だった。
しかし今回は、フォーミュラEならではのモーターサウンドを響かせ、けやき坂を3往復した。
コースが短いということもあり、残念ながら“徐行”という条件付きでの走行となったが、それでもEVならではの鋭い加速感、そして近未来的なサウンドを、集まった観衆に披露した。
デモ走行に先立って、このイベントのために来日したフォーミュラEホールディングス(FEH)のアレハンドロ・アガグは「日本でデモ走行ができ、とても嬉しく思っている。将来、ほとんどの自動車がEVになるはず。フォーミュラEはその発展に貢献できるはず。そして近い将来、日本でもフォーミュラEのレースができる日が来ることを信じている」と挨拶した。
日本での公道レース実現に向けては、法整備が不可欠。
その中心的な役割を果たす自民党モータースポーツ振興議員連盟会長の古屋圭司衆議院議員もゲストとしてイベントに登場。
「(公道レースの実施を可能にする、『モータースポーツの振興に関する法案』は)全党の理解を得ることができると思う。この国会に法案を提出して、成立を目指していきたい」と語った。
また、「公道レースの開催については、横浜、大阪、沖縄でも、希望する声が挙っている」とし、日本の各自治体が、公道レースの開催について、大きな注目を寄せていると明かした。
なお、8月21日には、アガグ氏が舛添要一東京都知事を訪問。
舛添知事も、公道レース開催に前向きな姿勢を見せたという。
「スピードは遅かったけれど、(今回のイベントの)ロケーションは非常に素晴らしかった。日本でのレース実施に向け、大きなステップを踏むことができた」
イベント終了後、アガグ氏はそう総括した。
フォーミュラE側はもちろん、日本の各自治体も、開催を熱望する公道レース、そしてフォーミュラEの日本ラウンド。
そのシーンを見ることができる日はいつになるのか?
まずは「モータースポーツの振興に関する法案」の成立を待ちたいところだ。
また、アガグ氏が「ぜひ日本の企業にも参加して欲しい」と語るように、スポンサーとしてのみならず、技術開発に参画する日本企業が現れることを、願わずにはいられない。
フォーミュラEの第2シーズンは、10月17日に北京で開幕する予定だ。