自民党は10日、市街地の公道でサーキットレースを可能とするため、道路使用許可などの行政手続きを円滑化する「モータースポーツ推進法案」を今国会に提出し、成立を目指す方針を固めた。
2020年東京五輪に向け、F1のモナコ・グランプリのような国際大会を誘致できる環境を整え、観光の起爆剤としたい考え。
日本ではこれまで観戦者の安全や騒音などを考慮して、レース開催のための道路使用については都道府県警の許可が下りなかった。
このため法案では、公道レースが円滑に開催できるよう、国や地方自治体が道路使用手続きを迅速化することや、主催者に助言や情報提供を行うとしている。
また、モータースポーツの振興に向け、国や自治体に必要な法整備や財政措置を行うことを義務付ける規定も盛り込む。
騒音を懸念する周辺住民の理解を得るため、住民主体の協議会の設置も促す。
日本では過去に公道を使って複数の車両が競走するレースを開催したことはない。自民党は国際自動車連盟(FIA)が管轄する電気自動車の世界選手権「フォーミュラE」の誘致も目指したい考えだ。自民党の「モータースポーツ振興議員連盟」(古屋圭司会長)が中心になってまとめた法案の党内手続きを近く開始。
公明党や野党にも賛同を呼び掛け、今国会での成立を目指す。