フォーミュラE Rd.2プトラジャヤ
フォーミュラE第2戦決勝レポート
as-webから
再び波乱フォーミュラE第2戦のマレーシア・ラウンドは、開幕戦につづきセーフティカーが2度入り、ファイナルラップに大クラッシュが起きる波乱のレースとなった。
今回のレースからフォーメーションラップが廃止。
予選PPのニコラス・プロスト(チーム・eダムス-ルノー)が開幕戦の最終ラップのクラッシュのペナルティで10グリッドダウンとなった他、予選3位のジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン・レーシング)のマシンがエネルギーのオーバーユーズドのペナルティで20番グリッド、予選17位のセバスチャン・ブエミ(チーム・eダムス-ルノー)のマシンが最低重量違反で19番グリッドになるなど、予選からグリッドの順位は大きく変更されている。
グリッドに並んだマシンからメカニックが離れると、すぐにシグナルが点灯し、31周で行われる第2戦の決勝がスタートした。
フロントロウのオリオール・セルビア(ドラゴン・レーシング)とサム・バード(ヴァージン・レーシング)が順調に動き出すも、2番グリッドのバードが1コーナーを抜けてトップに。
その背後では3番グリッドのダニエル・アプト(アウディ・スポーツ・アプト)が大きく出遅れて8番手に後退。
4番手スタートのヤルノ・トゥルーリ(トゥルーリ)が3番手に上がり、トップ集団を作る。トップはバードとセルビアが競り合い、セルビアがトップに。
しかし、やはりタイヤが温まらないのか挙動を乱すクルマが多く、オープニングラップでアムリン・アグリのキャサリン・レッグがコントロールを失い、ミケーラ・セルッティ(トゥルーリ)に衝突。
セルッティはスピンして止まってしまい、再びセーフティカーが導入される。
4周目にリスタートされると、2番手のバードはセルビアをかわしてトップを奪取。
トゥルーリもセルビアをかわして2番手に順位を上げる。
そして8周目、ニック・ハイドフェルド(ヴェンチュリ)がフランク・モンタニー(アンドレッティ)に押し出される形でガードレールのバリアにクラッシュ。
開幕戦の最終ラップのトップ争いの中、最終コーナーでプロストの接触を受けて大クラッシュしたのに続いて、ハイドフェルドは2戦連続のクラッシュとなってしまった。
このクラッシュで2度目のセーフティカーIN。
11周目にレースは再開し、トップの順位はそのままだが、2番手のトゥルーリのペースが上がらず、1秒近くラップタイムが速いトップのバードは独走状態に。
18周目になると2番手以下のほとんどのクルマがピットインし、クルマを交換。
トップのバードは残りのエネルギーが3%というギリギリの状態までプッシュして、1周遅れてピットイン。
そのピットを境に、事前にピットインしていたアプトがトップ、その後、バード、トゥルーリ、ルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・スポーツ・アプト)が続く。
だが、トゥルーリはペースが上がらす序々に後退。
さらにエナジーのオーバーユーズドでペナルティを受けてしまい、さらに4番手争いでネルソン・ピケJr.(チャイナ・レーシング)と接触して、ピケJr.はウォールにクラッシュ。ピケJr.はレースを終えてしまった。
早めのピットでトップを走行していたアプトだったが、次第にバッテリー残量が厳しくなりペースダウン。
残り5周を切ったところで悠々とバードがアプトをかわしてトップに立つと、バードはそのまま独走で優勝。
2位には18番グリッドのディ・グラッシ、3位には19番手のブエミが入るという大逆転の展開に。
2位のディ・グラッシの残りのバッテリーが9%なのに対し、バードは残り21%と、燃費も速さも圧倒したレース展開だった。
ファイナルラップでは4番手走行のセナがコントロールを失い、かなりのスピードでサイドからクラッシュするも、コクピットから降りて歩き出し、大きな怪我には至らなかった様子。
最後までバトルやクラッシュなど、第2戦目のフォーミュラEは見どころが絶えない展開となった。
さらに、表彰台では優勝したバードの母国、イギリス国歌が流れている途中で突然音楽が切れるハプニング。
バードはすぐに両手を指揮棒のように動かし、笑顔で受け止めたが、最後の最後まで、予測のつかないラウンドとなった。
【動画】