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ジャーナリストが、フォーミュラEに試乗

フォーミュラEが新たなビジョンを掲げたばかりだが、本当にエキサイティングなのだろうか?
だったら実際に乗ってみよう、ということでフォーミュラEマシンでサーキットを走ってみることにした。
AUTOCAR
フォーミュラE、試乗

いつもならV8エンジンを搭載したNASCARマシンの轟音と65,000人の熱狂的なファンの雄叫びで盛り上がるフロリダ州のホームステッド=マイアミ・スピードウェイはひっそりと静まり返っている。
たしかに目の前を、ご覧の写真のようにいかにも速そうなフォーミュラ・マシンが走っているのに、862psのヘミ・エンジンの排気音や、バック・ファイヤーの音が聞こえないのはなんとも不思議である。
今回、ロンドンから7,000km以上を経てアメリカのフロリダ州に来たのは、他でもなくフォーミュラEのマシンを運転するため。
アメリカでマシンを駆るのは、英国人のジャーナリストとしては私が初めてとのことだ。
ただし、’障害’ がひとつ。自由の国でありながら、州ごとの厳しい法律ゆえ、厳密には市街地の真ん中をフェンスで囲ったマイアミ・ロード・サーキット内を運転することが許されないというのだ。

その代わりに許可がおりたのが、全長3.54kmのNASCARで使用するバンク付きのオーバル・コースでの走行だ。
実際にコースを目の前にし、体内でアドレナリンが噴出していることを強く感じ取れた。
高ぶる気持ちを何とか抑え、クールにコックピットに収まれば、いよいよスタートの時。
ピット・レーンから勢いよくコースに入ると、私のメンターであり、元F1ドライバーのネルソン・ピケJr.は無線で「カーボン・ブレーキに気をつけて。たかい制動力のおかげでロックしやすいからね」とアドバイス。
言われたとおりに、早めにゆっくりとブレーキ・ペダルを踏み込み、ブレーキ・ユニットを温度を高めてやる。
すでにこの段階で、F1マシンとの違いが明らかになりつつある。

まず1つ目は、コックピットへの風の巻き込みがF1マシンに比べると激しい点。
また、コーナリングのためのステア操作には、並大抵ではない腕力が必要であることがわかった。
私が最後にF1マシンをドライブしたのは2001年のことだ。
底なしのパワーに驚いたことを今でも克明に覚えている。
しかし、フォーミュラEマシンもF1のそれに負けていない。
フォーミュラEマシンが静止状態から100km/hに到達するまでにかかる時間は3.0秒。
心臓部となるウイリアムズ製の800kWのバッテリーによる瞬発力は ’ワイルド’ と言う言葉では物足りないくらい激しいのだ。

2速ヘアピンに向けたブレーキングをギリギリまで我慢すると、18インチのミシュラン・タイヤが道路に粘着していることがわかる。
ストレートに進入すると、車輪が巻き上げたタイヤカスがヘルメットに飛んでくる。
ステアリング上に設置された合計4つのパドルは、それぞれが近接しているため、特に路面がスムーズではないホームステッドだと、しばしば押し間違えてしまうこともある。
上部2つのパドルは4速トランスミッション(最新のマシンは5速)の変速用となっており、下部2つのうち右のパドルはブレーキング時の回生エネルギーの制御用となっている。
下部左側は ’ファンブースト’ 用。SNS上で最も支持されたドライバーのみが、5秒間最高出力を274psまで発揮できるというファン連動型のシステムを稼働するためのパドルである。
LCDスクリーンの下には3つの赤いロータリー・タブがあり、これは触れたらダメとのこと。
そのうちの2つはブレーキング時の回生エネルギーに関したもので、もうひとつはトルクを制御するためにあるのだそうだ。
コックピットの中はとても静かで、フル・スロットル時の音を例えるならば、遠くでジェット・エンジンの音を聞いているといったところだろうか。
その反面、低速時のギアボックスが発する音はかなり大きい。

コックピットの温度は異常に高く、走行を終えて5点式のハーネスを取り外したあとは、耐火性のアンダーウェアとレーシング・スーツは汗でぐっしょりと濡れていた。
(まだ走りたかったので、笑顔は崩さなかったが。)
チャイナ・レーシングからフォーミュラEに参戦するピケに、フォーミュラEとフォーミュラ1の違いを聞いてみたところ「マシンの形こそ似ていますが、そもそも比較すべきではないのです」という。
「F1のテクノロジーは70年の歳月をかけて進歩してきたのですが、今から20ヶ月前は、まだフォーミュラEマシンの組み立てさえ始まっていなかったのです」
「ドライビング・テクニックもまったく違います。使用するサーキットも違えば、タイヤだってフォーミュラEの場合は全天候型のラジアル・タイヤですから」
「F1のように給油やタイヤ交換に関連した複雑怪奇なストラテジーを考えるより、エネルギーをいかに温存するかが最優先事項となってきますからね」
「コックピットもまた、まったく異なった点のひとつです。さらには、F1ではKERS(運動エネルギー回生システム)を重点的に考慮していましたが、フォーミュラEの場合はパフォーマンスに影響するバッテリー周辺の温度も考えなければなりません」と説明してくれた。

ピケはフォーミュラEに参加する前は、電気自動車といえば、2時間だけテスラを運転したことがあるだけだったのだという。
「電気自動車に乗るだなんて、それまでは想像もしませんでした。しかしフォーミュラEのドライバーとなった今、フォーミュラEが一般的な電気自動車の技術を発達させるだろうと考えています」
「走行中にチームからリアル・タイムのフィードバックを受けない点もフォーミュラ1とは異なった点です。ドライバーは、ドライバー自身でさまざまな決定を下す必要があるのです」とのことだ。
フォーミュラEの注目度は日々勢いを増しており、現段階では来シーズンのために50もの都市から開催のオファーが来ているという。
6月27日に行われるロンドンのレースには500,000人以上のファンが押し寄せ、数千万人以上のテレビ視聴者が全世界にいるといわれている。
さらに、来シーズン以降は参加するメーカーの数も増えることにより、フォーミュラEそのもののレベルアップも見込まれている。
F1界をも恐れさせるのは、もはや時間の問題なのかもしれない。
(ジェレミー・テイラー)

    
    
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